ガス代を抑えるにはどうしたらいい?NFTを安く買うためにできることを解説
デジタルデータの円滑な流通を助ける仕組みとして注目を集めるNFT。高額売買の事例も報道され、NFTを購入してみたいと考える方もいらっしゃることでしょう。
その前に、NFTの購入に「ガス代」と呼ばれる手数料がかかることはご存知でしょうか。本記事では、ガス代とはなにかを紹介するとともに、ガス代を削減するためのさまざまな取り組みについても解説します。
ガス代とは
暗号通貨を取引するための手数料
ガス代と言っても、普段私たちの生活で使用する都市ガスやプロパンガスの使用料のことではありません。イーサリアムのネットワーク上で暗号通貨をやり取りするときに必要となる手数料をガス代と呼びます。イーサリアム上のガス代の単位は「Gwei」で、「1Gwei = 0.000000001ETH(イーサ)」に相当します。
銀行やクレジットカードの取引で手数料が徴収された経験は誰しもあることでしょう。それらのサービスにおいて、取引を処理するには人件費などのコストが必要です。そのため、ユーザーから手数料を徴収してそれらを賄っているわけです。
ここで、ブロックチェーンを勉強したことのある方なら疑問に思うかもしれません。イーサリアムなどのブロックチェーンは管理者のいないシステムのはずなのに、誰に手数料を払っているのでしょうか。
ガス代は誰に支払う?
イーサリアムのネットワークでは、取引の正当性を証明してくれる「マイナー」と呼ばれる人たちがおり、ガス代は彼らへの報酬として徴収されています。マイナーたちはパソコンや専用端末を使い、取引の証明や暗号通貨の生成を行って報酬を得ています。
そのほか、ネットワークが混雑しているときにガス代が高くなる仕組みのため、ユーザーに分散を促しネットワークへの負荷を下げる役割も果たしています。ユーザーにとっては痛いガス代ですが、イーサリアムのネットワークを円滑に動かすためになくてはならない存在なのです。
ガス代を抑える取り組み
NFTマーケットの活性化などによりイーサリアムネットワークのユーザーが増えるにつれ、ガス代が高騰する状況にあります。ガス代が高くなりすぎればイーサリアム、ひいては暗号資産取引を利用しようとする人が減ってしまいますので、開発者たちはさまざまな方法でガス代の高騰に立ち向かっています。
イーサリアムのアップデートが進行中
イーサリアムは2022年現在、「1.0」から「2.0」への移行の真っ只中にあります。「1.0」ではビットコインと同じ「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」という仕組みでネットワークが稼働していますが、これを「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」に移行させるのが大きな目標です。
その詳細についての解説は本記事の主題とは外れますので避けますが、PoSへの移行によりガス代が大幅に下がることが期待されています。それ以外にもネットワークのアップデートは随時進められており、ガス代を抑えるための努力が続いています。
代替ネットワークの開発
イーサリアムネットワーク自体のアップデート以外にも、ガス代を抑えるための取り組みは続いています。中でも台頭しているのが「ポリゴン」です。
ポリゴンはイーサリアムのネットワーク上に作られたプロジェクトですが、メインのブロックチェーン以外のところで取引を処理します。ガス代(MATIC)がほとんどかからないのがポリゴンの特徴で、2021年10月にはアクティブユーザー数でイーサリアムを超えたとの報道がなされました。
イーサリアムと比べて大幅に安いガス代を武器に広がるポリゴンの世界。NFTのマーケット全体を見れば依然としてイーサリアムでの出品数が多いのですが、ポリゴンの注目度も着実に上がっています。
ガス代の安いタイミングを知るには
取引時に支払うガス代は、基本となるガス代に追加で支払うことができ、より多く支払うことで取引を優先して処理してもらえるようになります。また、ガス代には上限を設定できますので、必要以上に支払ってしまうということはありません。
ガス代は常に一定ではなく、先ほど紹介したようにユーザーが多いときはより高く設定されています。「イーサ ガス代 チャート」などで検索をすると、ガス代の変化をまとめたサイトがヒットします。
一日のうちでも時間帯で大きく変わりますので、ガス代が安くなるタイミングを知っておくとよいでしょう。
終わりに
ユーザーの増加に伴って負担が増すイーサリアムのガス代。ユーザーにとっては辛いところですが、ネットワークを正常に稼働させるために必要なものであることは理解しておきましょう。
ガス代を軽減するさまざまな取組みに期待しつつ、ガス代の安いタイミングを見極めてNFT取引などを楽しみたいものです。