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テゾスの特徴と今後の見通し。NFTで注目度が上がる暗号通貨を解説

ブロックチェーンは今や、暗号通貨(仮想通貨、暗号資産)の基盤であるだけではなく、DefiやNFTといった新しいサービスを展開するプラットフォームとして飛躍しつつあります。

そうしたサービスのプラットフォームとして高いシェアを誇るのがイーサリアムですが、それ以外の多くのブロックチェーンも独自の特徴を打ち出してユーザーの取り込みを図っています。

今回紹介するのは、そのひとつであるテゾス(XTZ)です。どんな特徴を備えたブロックチェーン・暗号通貨なのか、直近の価格推移とあわせて紹介します。

テゾスとは

まずは、テゾスの特徴を紹介します。

アメリカの夫婦が考案

テゾスは、アメリカの夫婦であるArthur BreitmanとKathleen Breitmanによって考案されたプロジェクトです。それぞれ金融機関での勤務経験があり、2017年にGeversの協力によりスイスでTezos Foundationを設立。ICO(イニシャルコインオファリング)を実施し開発資金を調達しました。

彼らはブロックチェーンがまだビットコイン専用プラットフォームだった頃から、さらに多くのことを実行できる技術だと信じていました。やがてイーサリアムが発表され、その考えが正しいことを確認しましたが、より権力が集中しない形のブロックチェーンを目指し、テゾスのプロジェクトを進めました。

独自の取引承認システム「LPoS」

ブロックチェーンには取引を承認するためのシステムが組み込まれています。代表的なのは、ビットコインなどが採用する「Proof of Work(プルーフ・オブ・ワーク、PoW)」と、イーサリアムが移行を進める「Proof of Stake(プルーフ・オブ・ステーク、PoS)」です。

テゾスはそのうち、プルーフ・オブ・ステークの派生にあたる「Liquid Proof of Stake(リキッド・プルーフ・オブ・ステーク、LPoS)」と呼ばれる独自のシステムを採用します。

プルーフ・オブ・ステークは、暗号通貨の保有量や保有期間などに応じて取引の承認作業の成功率が上がる仕組みです。マイニングと呼ばれる取引承認作業が消費する電力が環境問題として批判されるプルーフ・オブ・ワークと比べ、圧倒的に小さな電力で実行できるメリットがあります。

テゾスのリキッド・プルーフ・オブ・ステークでは、所有者の投票により取引承認を行う人を決めます。投票権を委任することも可能で、より多くの人が作業に加わることができる仕組みが構築されています。権力の分散を重視するこの仕組みは、夫婦が個人の自由を重視する「リバタリアン」であることとも密接に関連しているのでしょう。

ハードフォークなしのアップデートが可能

ブロックチェーンが大規模なシステム変更を伴うアップデートを行うとき、「ハードフォーク」と呼ばれるブロックチェーンの分岐が行われます。コミュニティの合意が取れている場合、全体が新しいブロックチェーンに移行するため大きな問題は起こりません。

しかし、コミュニティの意見が分かれたままハードフォークが行われると、2つのブロックチェーンが並立することになります。過去には、ビットコインからビットコインキャッシュが、イーサリアムからイーサリアムクラシックが誕生するハードフォークが発生しました。

ブロックチェーンが分岐することは、開発者たちもそれぞれのブロックチェーンに分かれることを意味します。開発力の低下を招き、将来的にはブロックチェーン・暗号通貨の価値を落としてしまう可能性があります。

テゾスでは、そうした事態を避けるためにハードフォークなしでアップデートが行えるような仕組みを内蔵しました。これにより、ハードフォークにより別のブロックチェーンが誕生する心配はなくなり、開発者たちは安定した環境で開発に取り組むことができます。

テゾスの価格推移と今後の見通し

2021年から現在にかけてのテゾスの値動きは、2度の大きな価格上昇が特徴です。一度目は2021年1月から5月にかけての上昇です。このときは暗号通貨市場全体がバブルとも言える状況の盛り上がりを見せ、それに合わせる形でテゾスも大きく上昇し、約820円の高値をつけました。

その後は下落しますが、2021年10月に約960円に達します。この上昇の背景には、テゾスがNFT市場で注目を集めたことが関係しているものと見られます。人気アーティストがテゾス基盤のNFTマーケットプレイスでのセールを告知したことに加え、8月のアップデートによりブロック作成時間や取引手数料が削減され、より快適に利用できるプラットフォームへの歩みを進めていました。

執筆時点(2022年6月)では、暗号通貨市場全体の低迷に合わせる形で価格を下げ、約200円で推移しています。暗号通貨およびNFT市場が活気を取り戻す時期が到来すれば、テゾスの価格も回復することが期待されます。

終わりに

テゾスの設計は考案者の思想が大きく反映されており、非常に興味深いものと言えます。ただ独自性を打ち出すだけではなく、取引時間の短縮や手数料の削減といった使い勝手を向上させるためのアップデートを重ね、存在価値を着実に高めているのは評価されるべきでしょう。

テゾスは日本の暗号通貨取引所でも比較的取り扱いの多い暗号通貨ですので、特にNFTやDefiといった分野に注目している方は、しっかりチェックしておきたい暗号通貨の一つです。

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