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ビットコインSVとは。誕生の流れや特徴、価格推移を解説

世界で初めての暗号通貨(仮想通貨、暗号資産)として誕生し、今なお大きなシェアを誇るビットコイン。10年以上の歴史の中で幾度かの分岐を経験し、ビットコインにルーツをもつ暗号通貨は数種類が存在しています。

今回紹介するビットコインSV(BSV)もそのひとつ。ビットコインSVはどのように誕生したのか、その特徴や直近の価格推移を解説します。

ビットコインSVができるまで

まずは、ビットコインSVができるまでの流れを解説します。

ハードフォークで分裂することがある

ブロックチェーンはすべての取引が一本のチェーンのようにつながっていますが、大規模な変更が加えられるとき、そのままアップデートするのではなく分岐する形を取ることがあります。これをハードフォークと言います。

ハードフォークが円満に進んだ場合、コミュニティ全体が新しいブロックチェーンに移行し、古いブロックチェーンは放棄されるため大きな問題にはなりません。

ごくまれに、コミュニティの対立によってハードフォークが発生することがあります。イーサリアムの初期、ハッキングにかかわる取引を無効にするか否かで意見が分かれたままハードフォークが行われ、古いイーサリアムブロックチェーンを引き継いだイーサリアムクラシックが誕生しました。

スケーラビリティ問題でビットコインが分裂

ビットコインでは、2017年8月に分裂を伴うハードフォークが発生しました。このハードフォークが発生した背景には、ビットコインの取引処理が遅延したり手数料が高くなったりするスケーラビリティ問題がありました。

ブロックチェーンでは、取引データを一定時間ごとに生成されるブロックにまとめて処理します。ビットコインはブロックに収納できる取引データの上限が小さいため、処理しきれない取引データがたまってしまう問題が発生していたのです。

スケーラビリティ問題を解決するためにブロックサイズを大きくすべきという主張が広がる一方、セキュリティや中央集権の懸念からブロックサイズを維持すべきという主張も根強く、コミュニティは激しく対立しました。最終的に、ブロックサイズ拡大派が離れる形でハードフォークが行われ、ビットコインキャッシュが誕生しました。

キャッシュも分裂しSVが誕生

ビットコインキャッシュの誕生には、自身こそビットコイン生みの親のサトシ・ナカモトだと名乗るクレイグ・ライト氏が大きく関わりました。なお、彼がサトシ・ナカモトであるという主張は、コミュニティやメディアの多くが否定的に捉えています。

ビットコインキャッシュの運営を進める中でライト氏らは、さらに使い勝手のよい暗号通貨を目指すべきだとし、ビットコインの8倍(実装当時)に拡大されたブロックサイズをさらに大きくすることを目指し、慎重派との間で対立が発生しました。

このハードフォークはかなり特殊な経緯をたどりました。最初のハードフォークでビットコインキャッシュからビットコインABCが誕生し、こちらがビットコインキャッシュを受け継ぐ予定でしたが、それに異を唱えたライト氏がビットコインSVを立ち上げたのです。

ABCとSVの間では、「ハッシュ戦争」と呼ばれる激しい戦いが発生します。相手への攻撃を含む戦いの末、当初の予定通りビットコインABCがビットコインキャッシュを継承し、ビットコインSVは別のプロジェクトとして独立しました。

ビットコインSVの特徴

ビットコインSVの「SV」とは、「Satoshi Vision」の略です。つまり、サトシ・ナカモトが構想したビットコインの理想を守りつつも、より使い勝手のよいものに進化させていこうとの意欲が示されています。

ライト氏がビットコイン、ビットコインキャッシュで実現しようとしてきたブロックサイズの拡張が大きな特徴であり、4GBとビットコインの4,000倍の容量としました。取引データを高速で処理できるようになったことで、手数料の大幅な削減にも成功しています。

それに加え、ビットコインには実装されなかったスマートコントラクトにも対応します。ブロックチェーン上でさまざまなアプリケーションを動かすために欠かせない技術のひとつで、手数料の安さを武器に普及を図ります。

その一方、大きなブロックを採用するのはいいことばかりではありません。マイニングにかかる負荷が大きくなるため、高性能なマシンをもつ参加者に作業が集中します。虚偽の取引が承認される可能性がある51%攻撃のリスクが高まり、2021年8月には実際に攻撃を受けました。

ビットコインSVの価格推移

ビットコインSVは、2020年以降2度の大きな上昇を記録しています。2020年1月には、2週間ほどで約10,000円から約46,000円と約4.6倍の急騰をみせました。価格を落とした後しばらくは、20,000円を前後して推移しました。

次の上昇は2021年に入ってからでした。暗号通貨市場の強気ムードに乗る形でじわじわと上昇し、4月には約48,000円の最高値を記録しました。高値水準で乱高下した後は急落し、2022年に入ってからは暗号通貨市場の停滞もあり価格は下落傾向に。2022年8月の執筆時点では、約8,350円で推移します。

終わりに

サトシ・ナカモトの理想を実現するというビットコインSVは、幾度もの分裂を経て誕生したブロックチェーン・暗号通貨です。ブロックサイズの拡大やスマートコントラクト導入などにより使い勝手を向上させたことが今後どう評価されていくのか注目されます。

日本では、2022年6月より暗号通貨取引所での売買が可能になりました。本家ビットコインほどの影響力はないものの、暗号通貨の歴史を語る上では知っておきたいコインのひとつです。

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