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OMGの特徴と価格推移を解説。今後の成長が厳しい理由とは

他の投資対象と比べて激しい値動きが多くの投資家を引き付ける暗号通貨(仮想通貨、暗号資産)。その一方、暗号通貨の基盤であるブロックチェーンが、国や貧富による金融サービスの格差をなくす救世主になると注目する人たちも少なくありません。

今回紹介するOMGは、銀行口座を持たない人でもオンラインサービスが利用できることを目的とした暗号通貨です。取引処理の速さや手数料の安さでも注目されるOMGの特徴と価格推移、今後が悲観的である理由を解説します。

OMGの特徴

まずは、OMGの特徴を解説します。

日本人が生み出した暗号通貨

OMGは、タイを拠点にオンライン決済サービスを提供するOmise Holdingsが開発した暗号通貨です。もともとは「Omise GO」と呼ばれていましたが、その後「OMGネットワーク」へと改称されました。なお、Omise Holdingsを起業したのは日本人の長谷川潤氏です。

OMGは、イーサリアムが新しい暗号通貨を発行しやすいよう定めた規格「ERC-20」を利用して発行されました。イーサリアムブロックチェーンのセカンドレイヤーを活用することで、イーサリアムと比較して利用しやすいシステムを構築しています。

オンラインでショッピングや金融サービスを利用することはもはや当たり前のように思えますが、そもそも銀行口座やクレジットカードを持たないことには、それらの多くを利用することはできません。南米やアフリカ、東南アジアなどには、銀行口座を持たない国民が多くいる国もあります。

インターネットに接続できる端末さえあれば利用できるブロックチェーンは、サービス格差を少なくする観点から高い期待が寄せられています。Omise Holdingsはオンライン決済サービスを提供する会社。自社のサービスをより多くの人々に届けるために、OMGの開発を進めました。

セカンドレイヤーでスケーラビリティ問題を解決

暗号通貨を含むブロックチェーンの利用者が増加するのに伴い、取引の処理に時間がかかったり、手数料が高騰したりする「スケーラビリティ問題」がユーザーを悩ませるようになりました。

ビットコインやイーサリアムなどのブロックチェーンでは、取引データは「ブロック」にまとめられて処理します。ブロックの容量や生成間隔はシステムで固定されており、取引データが多くなればなるほど処理に遅延が発生し、取引を優先して処理してもらうための手数料も高くなります。

NFTやDefiといったブロックチェーン上のサービスの注目度が上がったことで、特にイーサリアムの混雑が大きな課題となり、それを解決するためにさまざまなアプローチが図られました。

その一つが、OMGも採用するセカンドレイヤーソリューションです。これは、メインネットワーク(この場合はイーサリアム)の脇道をつくってそちらで取引を処理することで、混雑の影響を受けることなくネットワークを利用することができる仕組みです。

OMGはこのセカンドレイヤーで「More Viable Plasma」という独自技術を活用。その結果、1秒あたりの処理速度はイーサリアムの約15件に対し、OMGは約4,000件と圧倒的に速いネットワークを実現しています。

BOBA移行で開発はストップ

2021年以降、OMGの保有者に対して同量のBOBAを配布するエアドロップが行われました。エアドロップとは、一定の条件を満たした人を対象に暗号通貨を配布する取り組みです。

BOBAは、OMGの主要開発チーム「Enya」が新たに立ち上げたネットワークです。NFTやDefiの取引をより快適にすることを目的としており、イーサリアム仮想マシン(EVM)互換のオプティミスティックロールアップ技術を採用しセキュリティを確保します。

主要開発チームが移行したことにより、OMGネットワークの開発はストップした状態にあると言えます。公式サイトにもBOBAネットワーク立ち上げの告知のみが掲載された状態ですので、今後開発が再開される可能性はきわめて低いでしょう。

OMGの価格推移

2021年から現在にかけてのOMGの値動きは、2度の大きな価格上昇が見られます。一度目は2021年1月から5月にかけての上昇です。このときは暗号通貨市場全体がバブルとも言える状況の盛り上がりを見せ、それに合わせる形でOMGも大きく上昇し、約1,400円の高値をつけました。

その後は下落しますが、7月から11月にかけて大きな上昇を見せ、最高値は約2,200円をつけました。暗号通貨市場の復調が一つの要因としてあるものの、BOBAのエアドロップが発表されたことが大きかったと推測されます。その後は価格が下落し、執筆時点(2022年6月)で約235円で推移します。

2022年6月現在の下落基調は他の暗号通貨と歩調を合わせる形であり、OMGネットワークの開発が終了した影響は感じられませんが、今後の値動きを注視する必要があるでしょう。

終わりに

OMGはイーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、取引処理の速さと手数料の安さを武器に展開してきた暗号通貨ネットワークです。主要開発チームがBOBAに移行したこともあり、今後開発が続けられる可能性はきわめて低くなりました。

執筆時点でも日本の暗号通貨取引所で取引が可能な状態ですが、今後新たな材料が出る可能性はきわめて低く、長期保有や利用を目的として購入することはおすすめできません。

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