ディープコインとは。日本人にも使いやすいブロックチェーン・暗号通貨の特徴や価格推移を解説
Web3とも呼ばれる、ブロックチェーンを中心とする新しいインターネットの流れの中で、日本はアメリカや中国などに比べて遅れているのではないかと言われることがあります。
国レベルではそうした傾向があることは否定できませんが、ブロックチェーン・暗号通貨(仮想通貨、暗号資産)のプロジェクトの中には、日本人が深く関わるものも少なくありません。
今回紹介するディープコイン(DEP)もそのひとつで、NFTやゲームと相性がいいとのこと。ディープコインの特徴や直近の価格推移を解説します。
ディープコインとは
まずは、ディープコインの特徴を解説します。
日本人が開発した暗号通貨
ディープコインは、Digital Entertainment Asset Pte. Ltd.(DEA社)が運営するブロックチェーンプラットフォーム内で使用される暗号通貨です。同社はシンガポールを拠点としており、代表を務めるのは吉田直人氏と山田耕三氏です。同社の創設には、ソニーの会長などを歴任した出井伸之氏も深く関わりました。
ブロックチェーンにかかわるサービスは海外発のものが多く、言語の壁もあり日本人には利用しづらいものも多いのが現状です。同社のサービスは日本人でも利用しやすく、提供されるコンテンツも日本人が好みそうなテイストとなっています。
国内の暗号通貨取引所でディープコインを購入できないのが大きな課題でしたが、2022年1月にBITPOINTが日本で初となる取り扱いを開始しました。
有名クリエイターとのコラボも
DEA社のサービスは、「PlayMining」と呼ばれるプラットフォーム上で展開されます。同プラットフォームでは、トレーディングカードゲームやコインプッシャーゲーム、RPGなど2022年の執筆時点で3種類のゲームが提供されており、著名漫画家の藤原カムイ氏がデザインを手掛けるプロジェクトも進行中です。
NFT展開も積極的に行っています。すべてのクリエイターが収入を担保できる創作の循環システムを掲げており、クリエイターのイラストやゲーム内で使用されるアセットがアートオークション形式で取引されます。これまでに、「南国少年パプワくん」や「ドラゴン桜」などの人気漫画と同社のゲームのコラボNFTも発売されてきました。
そのほか、BNBチェーンを活用し「PlayMining NFT Premier」というNFTマーケットプレイスも開設しています。アート・映像・音楽など、最先端のNFT技術を追求するとしており、国内外で活躍する有名作家が描き下ろした1点もののアートNFTを販売しています。
ゲームをプレイしディープコインを獲得
ディープコインは、イーサリアム上で新しい暗号通貨を発行するための規格「ERC-20」に基づいて発行されています。NFTやゲームアイテムの購入など、PlayMiningプラットフォーム上で使用されます。発行上限は300億ディープコインです。
ディープコインは、PlayMining上のゲームをプレイすることで獲得できるほか、暗号通貨取引所で購入することもできます。2022年7月の執筆時点で対応している国内の取引所はBITPOINTのみです。
スカラーシップ制度で始めやすい
NFTゲームは一般に、プレイするにあたってNFTを自費で購入する必要があります。その額は数万円単位になることも多く、それが障害となってプレイを敬遠する人も少なくありません。
NFTゲームの中には、先にプレイするユーザーが新規ユーザーにNFTを貸し出す「スカラーシップ」を採用しているものもあり、プレイのハードルを下げることに貢献しています。東南アジアなどでは、このシステムを活用し生活費を稼ぐ事例が報告されました。
PlayMiningプラットフォームもスカラーシップ制度に対応しており、困難な境遇にある10代を支援するNPO法人がスカラーシップを利用してディープコインを稼ぎ、団体の運営資金として活用したり、ゲームをプレイした若者に還元したりする計画がスタートしました。
ディープコインの価格推移
ディープコインは、チャートがある2020年4月以降の長い期間を0.5円から1円の間で推移してきました。その流れが変わったのは2021年10月です。直前まで0.7円付近で推移していた価格が、11月には約7.8円に達するほどの上昇をみせました。
このタイミングは、SNS大手のFacebookが社名をメタと改名し、メタバース関連の銘柄が大きな注目を集めた時期と重なります。日本産のコンテンツを積極的に展開するPlayMiningが投資家の注目を集めたのかもしれません。
それ以降は価格を落とし、BITPOINTで取り扱いが始まったタイミングで再度上昇しました。その後は暗号通貨市場の低迷もあって価格は下落傾向に。2022年7月の執筆時点では、約1.8円で推移します。
終わりに
ディープコインは、日本人によって開発されたブロックチェーンプラットフォームで使われる暗号通貨です。同プラットフォームは日本人クリエイターの作品も多く、サービスが日本語で利用できることから今後注目度が上がっていくことも期待されます。
より多くの人の注目を引くゲームがリリースされたり、利用できる取引所が増えたりするなどの材料で価格が上昇することも期待されますので、注目しておいて損はないでしょう。