Contents

  1. HOME
  2. ブログ
  3. コイン情報
  4. トロンはどんな暗号通貨?クリエイター保護の理想と現状、直近の価格推移を解説

トロンはどんな暗号通貨?クリエイター保護の理想と現状、直近の価格推移を解説

動画配信や楽曲、イラストなど、インターネットを通じて創作活動を行うクリエイターは年々増加しつつあります。

その背景に配信プラットフォームの充実があるのは言うまでもありませんが、利便性の裏にはクリエイターが高額の使用料を徴収されているという問題もあり、利益配分が適切なのかとの議論が絶えることはありません。

今回紹介するトロン(TRX)は、デジタルコンテンツのクリエイターへの支援を主な目的として誕生したブロックチェーン・暗号通貨(仮想通貨、暗号資産)です。トロンの特徴や直近の価格推移を解説します。

トロンの特徴

まずは、トロンの特徴を紹介します。

クリエイター支援を前面に押し出し設立

トロンは、2017年にJustin Sun氏によってつくられたブロックチェーンです。トロンの開発やサポートを担うのは、シンガポールとサンフランシスコに拠点をおくトロン財団です。トロンのブロックチェーン内で利用されるのがTronix (TRX)と呼ばれる暗号通貨ですが、それらもまとめてトロンと呼ぶのが一般的です。

クリエイターが活動の場とする既存のプラットフォームには、ほとんどの場合において管理者が存在します。管理者によってプラットフォームの健全性が保たれ、クリエイターはルールの枠内で活動し収入を得ることができます。

その一方、プラットフォーム側に支払う利用料は高くなりがちです。ライブ配信でファンが投げ銭をしても、クリエイターに届くのは大手プラットフォームの場合で7割程度とされます。中には利益配分を公表していないプラットフォームもあり、透明性が不十分だと指摘する声もあります。

それ以外にも、規約がクリエイターに不利な形に変更されても受け入れざるを得なかったり、トラブルが発生しても補填や説明がなかったりするなど、プラットフォームの力が強すぎるがゆえの問題も少なくはありません。

面白い試みだが実現は不透明

ブロックチェーンであるトロンは分散管理がなされているため、絶対的な力をもった管理者は存在しません。トロンが計画している配信プラットフォームでは、クリエイターとファンは直接つながることができ、投げ銭はトロンで行うため、高額の利用料を払う必要はありません。

クリエイター自身が暗号通貨を発行できる仕組みも計画されています。コンテンツの制作に必要な費用をそれでまかない、ファンには良質のコンテンツと暗号通貨の形でお返しできる。そこに管理者が介在しないからこそ、より密な関係を築くことができるでしょう。

分散管理のためサーバー全体のトラブルに巻き込まれることがないといったメリットもあり大変魅力的に見えるプラットフォームですが、執筆時点(2022年6月)においてその利用が進んでるとは言えないのが現状です。トロン自身も、現在ではその点を強くアピールしていないようです。

DPoS採用で高速な取引処理を実現

クリエイター支援の取り組みが影を潜める中、トロンはDefi(分散型金融)の分野で急成長を遂げています。2022年5月には、Defiの預け入れ総額でイーサリアム、BNBチェーンに次ぐ第三位になったとの報道もなされました。

近年、イーサリアムなどのブロックチェーンで取引の処理が遅延したり、手数料が高くなったりするスケーラビリティ問題が大きな話題となっています。1秒あたりの処理件数は、イーサリアムの15件程度に対しトロンは2,000件程度あるとされ、ユーザーにとって大変魅力的に映ります。

トロンは取引の処理方法としてDPoSを採用します。「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」の派生で、コミュニティにより選出された複数のバリデーターが取引を検証し、成功した際に報酬を受け取ります。トロンの保有者もステーキング(預け入れ)によって報酬を得ることができます。

ビットコインなどが採用する「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」と比較し、取引承認作業にかかわる人数が少ないことが、速度の速さにつながっています。また、世界各国で電力不足が深刻化する中で、プルーフ・オブ・ワークと比べても圧倒的に電力消費が少ないプルーフ・オブ・ステーク系統の方法であることもポジティブな材料でしょう。

トロンの価格推移

トロンの最高値は、発行直後の2018年1月に記録した約25円です。その後は5円以下のラインで推移していましたが、2021年2月に入り暗号通貨市場の活況を受けて上昇を始め、5月には約18円の直近高値に達しました。

その後は下落するものの、9月と11月に再度上昇する局面がありました。2022年6月の執筆時点では、約9円で推移します。トロンはおおむね暗号通貨市場全体の動きに沿って価格が推移する傾向にあります。直近ではトロンも発行しているステーブルコイン関係の話題も多くなっていますので、ニュースを注視しておくとよいでしょう。

終わりに

トロンはクリエイター支援を掲げて誕生したブロックチェーン・暗号通貨ですが、近年ではその動きは停滞しつつあります。その一方Defi市場では高い人気を誇り、時価総額は2022年6月の執筆時点で13位に位置するなど、依然として注目度の高い暗号通貨であることに変わりはありません。

日本でも一部の暗号通貨取引所で売買が可能ですので、興味のある方はチェックしておきましょう。

関連記事

初心者にオススメの取引所

コインチェック

カテゴリー