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Zcashとは。柔軟な匿名性を武器に拡大を図るブロックチェーン・暗号通貨の特徴や価格推移を解説

暗号通貨(仮想通貨、暗号資産)は既存通貨と比べて匿名性が高いと言われます。それ自体は間違いではないものの、匿名性の強度に関しては通貨ごとに差があります。

今回紹介するZcash(ZEC)は、よりプライバシーを重視した取引証明手法を用いたブロックチェーン・暗号通貨です。Zcashの特徴や直近の価格推移を解説します。

Zcashの特徴

まずは、Zcashの特徴を解説します。

ビットコインに導入したかった機能を実装

Zcashは、Bitcoinのプライバシー保護を改善するための7人の科学者による実験的提案、「Zerocash/Zerocoin」をルーツとしています。Zerocoin社(現Electric Coin Co.)は、300万ドルの資金を調達しプロジェクトをスタートさせました。

創業者のズーコ・ウィルコックス氏はビットコインのコミュニティに初期から参加しており、いまだ正体不明のビットコイン生みの親、サトシ・ナカモトとも連絡を取り合っていたことで知られます。

Zcashが匿名性を高めるために導入したゼロ知識証明技術の「zk-SNARKs」は、もともとビットコインへの導入が計画されていたものです、しかし、当時の技術では処理速度との両立が難しいと反対意見が根強く、ウィルコックス氏は自身が立ち上げたブロックチェーン・暗号通貨でそれを実現させることとしました。

ゼロ知識証明は暗号学の用語であり、自分がお題に対する答えを知っていることを、それ以外の情報を伝えることなく証明する手法を指します。zk-SNARKsはその原理を応用したもので、最低限の情報をもって取引の正当性を証明します。

匿名性の高いアドレスを用意

一般的なブロックチェーンでは、送信アドレスや受信アドレス、送金額が公開されています。これこそブロックチェーンは透明性が高いと言われるゆえんです。それと同時に、アドレスと個人情報は容易に結びつくことがないことから、十分な匿名性も確保しているとされます。

Zcashは、その匿名性をさらに一歩進めたブロックチェーン・暗号通貨です。Zcashでは、「Zアドレス」と「Tアドレス」と呼ばれる2種類のアドレスがあり、それらは相互運用可能でアドレス間の送金もできます。

Tアドレス間の取引では、ビットコインなどと同様に送信アドレスや受信アドレス、送金額が公開されています。Zアドレスを含む取引はプライバシー保護機能が働き、送信アドレスや受信アドレス、送金額は暗号化されるため当事者以外が確認するのは困難となります。

情報公開を可能にするオプションも用意

取引の高い匿名性は、既存の金融システムに疑問をもち暗号通貨に期待するユーザーからすると、とてもポジティブな要素と言えます。その一方、匿名性の高い暗号通貨はマネーロンダリングなど犯罪に利用されやすいという指摘もあり、各国の金融当局は神経を尖らせています。

各国間で協調し、高額送金時に送金者や受信者の情報を暗号通貨取引所で共有することを義務付けるトラベルルールを策定するなどの動きもあります。こうしたルールを遵守する流れの中で、モネロなど匿名性の高い暗号通貨の取引を廃止する措置が各国の取引所で相次ぎました。

そうした懸念材料に対処するため、ZcashではZアドレスの所有者に対し、信頼できる第三者との情報共有を可能にするオプションを用意しています。これにより、監査、税制、マネーロンダリング防止のための支払い規則への準拠が可能になるとしています。

ただし、2022年9月の執筆時点において日本の暗号通貨取引所での取り扱いはありません。海外取引所、あるいは個人間送金の利用は可能ですが、匿名性の高さゆえに仮に犯罪に巻き込まれた場合追跡困難になるリスクもあることは十分に理解しておきましょう。

Zcashの価格推移

2021年以降で最初の大きな値動きは、2021年に入ってからの上昇です。市場全体が強気ムードになったこともあり、それに乗る形で価格を上げました。5月には約35,000円に達し、2018年以来の高値を記録しています。

高値をつけたあとは急落しますが、9月から再度大きな上昇を見せます。このときは約32,000円に達しました。この上昇は長続きせず、2022年1月までは下落傾向が続きました。3月にかけて再度上昇を見せるものの、市場の弱気ムードも手伝って下落基調が鮮明に。2022年9月の執筆時点で約8,400円で推移します。

終わりに

Zcashは、ビットコインにも縁のある人物によって作られた、匿名性を重視するブロックチェーン・暗号通貨です。他の匿名暗号通貨とは異なり、悪用への懸念から情報を公開できるオプションも設けているのが大きな特徴です。

暗号通貨が利用を拡大する上で匿名性の度合いは必ず議論になるテーマだけに、柔軟性をもたせたZcashの動向はモデルケースのひとつとなるのかもしれません。

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