チリーズとは。有名スポーツチームと提携するブロックチェーン・暗号通貨の特徴や価格推移を解説
ブロックチェーンや暗号通貨(仮想通貨、暗号資産)は、この10年ほどで登場した新しい技術であること、値動きの乱高下に注目が集まっていることもあり、いまいち実態が見えづらいと感じる方も多いのが実態です。
そうした課題に対処するため、ブロックチェーン業界はさまざまな戦略を探っているところですが、中にはスポーツ産業との連携により存在感を示す事例もあります。
今回紹介するチリーズ(CHZ)は、スポーツとファンをつなぐことを目的とするブロックチェーン・暗号通貨です。チリーズの特徴や直近の価格推移を解説します。
チリーズの特徴
まずは、チリーズの特徴を解説します。
スポーツクラブを応援
チリーズは、スポーツ・eスポーツファンに対して、彼らが応援しているクラブチームや試合、そしてリーグやイベントを団結して管理する力を与えるプラットフォームとして誕生しました。その理念は多くのクラブチームに共感され、FCバルセロナやユベントスなど、世界に名だたるクラブチームとパートナーシップを結んでいます。
チリーズのプラットフォームにおける基軸通貨はCHZであり、イーサリアム上で新しい暗号通貨を発行するための規格であるERC-20、およびバイナンスチェーンの規格であるBEP2に基づいて発行されています。
ファントークンで特典がもらえる
チリーズのブロックチェーン上に構築されたファンエンゲージメントプラットフォームのSocios.comでは、基軸通貨のCHZを使ったサービスを展開しています。Socios.comはスマートフォンアプリで提供されています。
具体的には、FCバルセロナ、ユベントス、パリ・サンジェルマン、ASローマ、ガラタサライ、アトレティコ・マドリード、OG、CAインデペンディエンテを含む世界の有名サッカークラブの公式ファントークンを購入することができます。ファントークンの売買には、独自の取引所であるChiliz Exchangeを使います。
このファントークンを使うと、応援しているチームが開催する公式投票イベントに参加したり、チーム関連グッズを含むさまざまな報酬を手に入れたりすることができます。すべてのファントークンはチリーズのブロックチェーン上に記録され、投票結果も記録されるため、公正な投票プラットフォームとして機能します。
トークンハントという機能を使えば、無料でCHZやファントークンを入手できます。位置情報ゲームのような形式で、地図上に表示された宝箱に近づきタップすると、24時間あたり5個から10個の無料トークンが手に入ります。
新ブロックチェーン、Scovilleを準備中
チリーズでは現在、Scoville(スコヴィル)と呼ばれる独自のブロックチェーンをテストネットで稼働させています。テストネットとは本公開前の準備段階であり、ネットワークが正常に機能するか確認している段階です。ちなみに、スコヴィルとは辛さの単位のことであり、チリーズではロードマップのフェーズを唐辛子の品種で表現しています。
フェーズは7段階からなり、2022年9月時点ではNFTスマートコントラクトやDEX(分散型取引所)などがテストネットに搭載されています。今後はガバナンスや投票システム、ステーキング、クロスチェーンブリッジなどの実装が計画されており、メインネットの稼働は2022年第四四半期(10月-12月)の予定です。
スコヴィルでは、イーサリアムをより身近なものにするための機能が搭載されます。具体的には、EVM互換によりイーサリアム上のアプリケーションをほぼそのまま移行できるようにするほか、手数料の削減や取引の高速処理、ステーキングなどによるCHZの機能強化などが行われます。
チリーズの価格推移
チリーズの価格が大きく上昇したのは2021年2月からでした。暗号通貨市場が強気ムードに突入したのに合わせる形で上昇を始め、4月には約84円の最高値を記録しました。
その後は価格を落とすものの夏以降に再び上昇基調となり、11月には約64円の高値をつけました。2022年に入ってからは市場の弱気ムードもあり価格は下落傾向にありましたが、2022年9月の執筆時点ではやや復調傾向にあり、約29円で推移します。
2022年9月には、DMM Bitcoinが国内の暗号通貨取引所で初めてとなる取り扱いを開始しました。
終わりに
チリーズは、スポーツクラブとファンをつなぐブロックチェーン・暗号通貨です。現地やテレビで観戦するばかりではない、新しいスポーツ応援の形として注目されます。
新ブロックチェーンのリリースやビッグクラブとの提携、日本での取り扱い開始などポジティブな材料は多いだけに、今後に注目したいブロックチェーン・暗号通貨のひとつです。