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柴犬コインとは。記録的な上昇幅が話題となった暗号通貨の特徴や価格推移を解説

値動きが激しい暗号通貨(仮想通貨、暗号資産)の中でも、かなり特徴的な動きをする「ミームコイン」に分類される暗号通貨があります。

今回紹介する柴犬コイン(SHIB)も、そんなミームコインの一つ。本記事では、柴犬コインの特徴や直近の価格推移を解説します。

ミームコインとは

まずは、ミームコインとはどんな暗号通貨を指すのか解説します。ミームコインは「インターネット・ミーム」、つまりインターネット上のネタをベースに誕生した暗号通貨の総称です。

メジャーな暗号通貨の多くは、発行の目的や今後のプランをまとめたホワイトペーパーを公開しますが、ミームコインはあくまでネタから派生したものですので、そのあたりは深く考えられていないことがほとんどです。

ミームコインの多くは低価格であり、わけもなく注目を集める「祭り」が発生したときに何十倍、何百倍もの上昇につながることもあります。それゆえ、一獲千金を求めて保有する人も一定数います。

柴犬コインの特徴

ここからは、柴犬コインの特徴を解説します。

Ryoshiを名乗る人物が発行

柴犬コインは2020年8月、「Ryoshi」を名乗る人物により発行されました。その名の通り柴犬をモチーフにしたコインであり、同じく柴犬由来の「ドージコイン」から派生する形で誕生しました。

Ryoshiは柴犬コインの発行時、50%をユニスワップに流し、残りの50%をイーサリアム生みの親であるヴィタリック・ブテリン氏に送りました。その後ブテリン氏は、受け取った柴犬コインの一部を寄付し、残りはバーン(焼却)されました。この出来事は、柴犬コインの知名度を上げることに大きく貢献しました。

イーサリアム上のプロジェクトで利用可能

ドージコインから派生したこともあり「ドージキラー」と呼ばれることもある柴犬コインですが、ドージコインとは異なる特徴もあります。

ドージコインが独自のブロックチェーン上で発行されているのに対し、柴犬コインはイーサリアム上でさまざまな暗号通貨を流通させるための規格「ERC-20」に基づいて発行されました。

そのため、メタマスクなどのイーサリアム・ウォレットと互換性があったり、ユニスワップなどイーサリアム上に構築された分散型取引所(DEX)に対応していたりして、ミームコインとはいえ使い勝手がいいのが大きな特徴です。

2種類の関連コインも発行

柴犬コインのプロジェクトでは、柴犬コインのほか2種類の暗号通貨も発行されています。

「リーシュ(LEASH)」は、独自の分散型取引所「ShibaSwap」に流動性を提供したユーザーに報酬として与えられる暗号通貨です。流動性とは取引可能な暗号通貨の量を表すもので、多ければ多いほどその暗号通貨は取引しやすいということになります。

「ボーン(BONE)」は、柴犬コインの方向性を決める「DoggyDAO」におけるガバナンストークンとして機能します。ボーンの所有数に応じて投票権が与えられます。

なお、リーシュは動物用ロープ、ボーンは骨を表す英単語で、いずれも犬に関係するものとなっています。

柴犬コインの価格推移

最後に、柴犬コインの価格推移を解説します。

ドージコインにつられて上昇

柴犬コインは誕生からしばらく、1SHIBあたり0.00000001円台という低い水準で推移してきました。市場での注目度が低かったことに加え、発行時点で1兆SHIBが供給され、他の暗号通貨と比べてもきわめて大量に出回っていたことが最大の要因です。

その価格が動き始めたのが2021年4月でした。4月後半に若干の上昇を経験した後、5月前半に1週間弱で0.004円台にまで上昇したのです。それまでの価格から実に40万倍もの上昇であり、「もし安いうちに購入しておけば…」と思った投資家もたくさんいたことでしょう。

この上昇の時期は、イーロン・マスク氏がドージコインを積極的に応援し価格が上昇していたタイミングと重なります。同じ柴犬であることから柴犬コインにも連想買いが入り、記録的な上昇を達成しました。

マスク氏のツイートが最高値を招く

その後価格は落ち着くものの、10月頃から2回目の急上昇がスタートしました。10月末には約0.009円と5月高値の倍の価格をつけたのです。

この上昇にはまたしてもマスク氏が関係していました。彼がツイッターに柴犬の写真を投稿したことに投資家が反応し、次は柴犬コインを買うのではないかとの連想から買いが集まり、価格が大きく上昇しました。しかしその後、マスク氏が柴犬コインは買っていないとツイートすると価格は反落しました。

2022年7月の執筆時点では、約0.0015円で推移します。ブームは過ぎ去ったとはいえ、限りなくゼロ円に近かったところからここまでの価格上昇を果たし、時価総額は執筆時点で14位と堂々の上位に位置していることを考えると、大きな躍進を遂げたと言ってもよいでしょう。

終わりに

そのほとんどが価値をもたないまま消えていくミームコインにおいて、柴犬コインは数少ない成功例の一つと言えます。2022年7月の執筆時点で日本の暗号通貨取引所での取引はできないため推奨は難しいのですが、こういうこともあるのが暗号通貨だと理解しておきましょう。

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