OKBとは。取引所が発行する暗号通貨の特徴や価格推移を解説

暗号通貨(仮想通貨、暗号資産)を売買したり、保管したりといったサービスを提供している暗号通貨取引所は、暗号通貨を利用する上で不可欠な存在です。

日本や海外には多くの取引所が存在し、取り扱い通貨やサービス内容を競っていますが、中には取引所独自の暗号通貨を発行し、所有者に特典を与えていることもあります。

独自通貨の多くは海外の取引所で売買されていますが、今回紹介するOKBは、日本の取引所でも購入できる暗号通貨です。OKBの特徴や直近の価格推移を解説します。

OKBとは

まずは、OKBの特徴を解説します。

OKX発行の暗号通貨

OKBは、世界各国で展開する暗号通過取引所OKXが2019年4月に発行した暗号通貨です。OKXの取引所内やOKXエコシステムなど、さまざまな場面で使うことができ、OKXのエコシステムサポートの重要なハブであるとしています。

OKBは、イーサリアム上で新しい暗号通貨を発行するための規格「ERC-20」に基づいて発行されました。当初は10億枚の発行が予定されていましたが、初回に3億枚を発行して以降は、OKBの価値を保存するためとして追加の発行は行わないことが発表されています。

OKXは中国で創設された取引所ですが、2021年に中国が暗号通貨の取引を全面的に禁止する方針を受け、中国から撤退しました。現在の本社はセーシェルに置かれています。同社を含むOK Groupは、日本にも取引所「OKCoinJapan」を置いていますが、それぞれのサービスは独立しています。

バーンで価値を保つ

暗号通貨の中には、その価値が落ちることを防ぐためにバーン(焼却)という仕組みを取り入れているものがあります。市場に流通する暗号通貨を回収し出回らないようにすることで、価格を安定させ保有者にメリットを与えます。

OKBは、OKXの現物トレーディング手数料収益のうち、約3割を用いて買い戻されています。当初は週ごとに行われていましたが、現在では3ヶ月周期でバーンが実施されており、2022年5月までに15回のバーンが行われました。

OKXの利用にメリットを与える

OKBを保有していると、OKXを利用する際に取引手数料の割引を受けることができます。「OKB貯金」では、暗号通貨を自由に出し入れできるほか、入金によって一定の利息を得ることができます。少額残高をOKBに変換できたり、C2C取引に参加できたりといった特典もあります。

よりうれしい特典として、「OKXジャンプスタート」と呼ばれるOKXのIEOに参加できるメリットがあります。IEOとは取引所の審査を受けた暗号通貨の新規上場のこと。詐欺的な手法が頻発したICOとは異なり、一定の安全性や確実な情報が担保されているため人気が高く、多くの場合売出し価格より高い初値がつきます。

日本からの利用は強い自己責任

OKXとOKCoinJapanは、同グループながら別サービスとして展開されており、OKCoinJapanでOKBを所有しても、なんらかの具体的なメリットが発生することはありません。

また、日本国内に在住する人が海外の取引所を利用することは金融庁が非推奨としており、仮にOKXを利用する場合でも強い自己責任が求められます。

とはいえ、さまざまな施策によりOKXの利用者が増加すれば、OKBの価値も上昇していくと考えられます。それに期待するのであればOKBを所有する意味は十分にあると言えるでしょう。

OKBの価格推移

OKBの価格が大きく動き始めたのは2021年に入ってからでした。暗号通貨市場全体が強気ムードに突入したのにあわせる形で価格が上昇。5月には約4,600円に達しました。

その後は急落するものの、7月から再上昇。波がありつつも高値を更新する動きを見せ、12月に約3,600円まで価格を戻しました。2022年前半は市場全体の低迷もあり価格を落としますが、6月以降は上昇へと転じ、2022年8月の執筆時点では約2,400円で推移します。

終わりに

OKBは暗号通貨取引所OKXが発行する暗号通貨です。バーンによって価値が維持される仕組みになっているほか、所有者が取引所を利用する際にさまざまな特典を与えることで、保有し続ける動機づけがなされています。

日本からは利用が推奨されない取引所ではあるものの、国内の取引所でOKBを購入することは可能ですので、興味がある方はチェックしておくとよいでしょう。