アスターネットワークとは。期待集まる国産ブロックチェーン・暗号通貨の特徴や価格推移を解説
ブロックチェーン・暗号通貨(仮想通貨、暗号資産)の世界では日々新しいものが誕生しますが、その中で暗号通貨取引所での上場までたどり着くケースはごく一部です。
国産プロジェクトともなればさらに限られるわけですが、今回紹介するアスターネットワーク(ASTR)は、2022年1月にメインネットが稼働したばかりの新しいプロジェクトながら、すでに多くの企業や投資家から注目を集めています。
本記事では、アスターネットワークとはどんな特徴があるブロックチェーン・暗号通貨なのか、直近の価格推移とあわせて解説します。
アスターネットワークとは
まずは、アスターネットワークの特徴を解説します。
日本発のプロジェクト
アスターネットワークを主導するのは、日本におけるWeb3分野のリーダーの1人とされる渡辺創太氏が率いるステイクテクノロジーズ社です。
メインネットの稼働は2022年に入ってからですが、それ以前から高い注目を集めるプロジェクトであり、2021年9月には日本マイクロソフトと提携し、プロジェクトや開発に対する支援を受けています。2021年12月にポルカドットのパラチェーン接続枠をオークションにより獲得した際には、世界各国の投資家から400億円以上の資金を調達しました。
さらに2022年1月には、暗号通貨関連の投資会社やサッカー選手の本田圭佑氏、イーサリアム共同創業者のひとりでポルカドット創業者であるギャビン・ウッド氏らから資金調達を受けています。
ポルカドットとイーサリアム等をつなぐ
アスターネットワークがパラチェーン接続枠を獲得したポルカドットは、異なるブロックチェーンをつなぐ仕組み(インターオペラビリティ)を提供し、真の分散型ネットワークの構築を目指すブロックチェーンプロジェクトです。
ポルカドットはメインとなる「リレーチェーン」とそれ以外の「パラチェーン」に分かれており、ほとんどの情報をメインのブロックチェーンではなくパラチェーンで処理することで取引データの高速処理を可能にしています。
アスターネットワークでは、あらゆるレイヤー1ブロックチェーン(ベースとなるブロックチェーンの)とポルカドットをつなげることを目標としています。2022年8月の執筆時点でイーサリアムとの接続が完了しており、2022年内にはコスモスとの接続も予定します。
dAppステーキングで開発者支援
アスターネットワーク内で使われる暗号通貨がASTRです。ASTRはアスターネットワーク内で展開するアプリケーションの取引や手数料のほか、さまざまな意思決定を行う際の投票権にあたるガバナンストークンとしても機能します。
それ以外にも、「dAppステーキング」という仕組みにより、ASTRをステーキング(預け入れ)により増やすことができます。アプリケーション自体にステーキングできるのが特徴であり、お気に入りのアプリに資金を預け成長を応援できる仕組みとなっています。
開発者にも報酬が分配されるのも特徴です。アスターネットワークでは、従来のブロックチェーンアプリケーションでは、開発者自身が十分な金銭的インセンティブを得られていなかったと指摘しています。
dAppステーキングにより、開発者にも報酬を分配することで開発者のモチベーションが高まり、よりよいアプリケーションを構築したり改善したりすることが期待されます。
農園ゲーム風アプリケーションに注目
アスターネットワークではすでに多くのアプリケーションが展開していますが、その中のひとつ「アスターファーム」を紹介します。
こちらは農園ゲームのような雰囲気をもつブロックチェーンゲームです。ゲームとはいえ、プレイヤーはステーキング期間を決めてASTRを「種」としてステーキングするだけ。期間終了後に収穫できた「バーチャル野菜」とその個数によってASTRが付与される仕組みです。
畑には一定確率で害虫が発生して成長中の野菜が食べられてしまったり、収穫できる野菜の種類や個数がランダムでそれによって付与されるASTRの量が変動したりといった要素があり、ランダム性のあるステーキングと表現するのがよいかもしれません。
2022年7月には、大手菓子メーカーのカルビーと連携し、限定NFTを配布したり、ゲーム内でじゃがいもを収穫した場合に抽選でポテトチップスが送られてくるキャンペーンが実施されました。
アスターネットワーク(ASTR)の価格推移
ASTRは2022年4月に記録した約40円が最高値です。それ以降は暗号通貨市場の低迷もあり、2022年8月の執筆時点では約6.7円で推移します。
日本発のプロジェクトではあるものの、執筆時点で日本の暗号通貨取引所では売買することはできません。上場審査に時間がかかる日本の取引所事情が関係していると推測されますが、コインチェックの関連団体から資金提供を受けるなど関心は高いと見られるだけに、早期の上場が期待されます。
終わりに
アスターネットワークは稼働して間もないブロックチェーン・暗号通貨ですが、すでに多くの資金を調達するなど高い注目を集める国産プロジェクトです。
アプリケーションの充実や取り扱い取引所の増加などにより価格が大きく動く可能性があるため、今後に注目したいブロックチェーン・暗号通貨のひとつです。