暗号通貨のアドレスとは。意味や秘密鍵と公開鍵の違いも解説

デジタル上にのみ存在する新しいお金として注目される暗号通貨(仮想通貨)。円やドルといった既存通貨とはさまざまな面で違いがあります。

本記事では、ビットコインなどの暗号通貨をやり取りする際に必要となる「アドレス」について解説します。

アドレスとは

まずは、アドレスとはなにか解説します。

銀行の口座番号のようなもの

アドレスを分かりやすい言葉で表現すると、「暗号通貨をやり取りするための口座番号」となります。私たちが銀行を介してお金を送ったり受け取ったりする際に口座番号を使いますが、それと同じように、アドレスを介して暗号通貨をやり取りします。

相手のアドレスを知っていれば、自分のアドレスから暗号通貨を送ったりもらったりすることができます。暗号通貨払いを受け入れているショップでの買い物も可能です。

ブロックチェーンの特性上、すべての取引は公開されています。もしアドレスと個人情報が結びつけば暗号通貨のやり取りは丸見えということになりますが、アドレスを固定しないなどの方法でそれを回避し、匿名性の高い取引を実現します。

アドレスの生成

日本の銀行の口座番号は数字7桁前後ですが、暗号通貨のアドレスはより複雑なものが与えられます。例えばビットコインアドレスの場合、1か3で始まる27~34文字の英数字で構成されます。

これは「公開鍵」と呼ばれるパスワードのようなものに特別な処理を施して生成されるためであり、覚えるのはまず困難でしょう。間違ったアドレスに送ってしまえば取り返すことは困難ですので、コピーアンドペーストやQRコードなどでの入力が推奨されます。

公開鍵自体はその名の通り、他人に知られても問題はありません。公開鍵の対になる存在として「秘密鍵」があります。秘密鍵はアドレスから暗号通貨を移す際に必要になるもので、いわば銀行口座の暗証番号のような存在。高いセキュリティをもって保管する必要があります。

秘密鍵を使って暗号通貨を送ることを「署名」と言います。秘密鍵がなければアドレスから暗号通貨を移すことはできませんので、アドレスが公開されていても問題はありません。

1か3か

ビットコインのアドレスは、1か3から始まります。1から始まるビットコインアドレスの場合、秘密鍵を1つ署名すれば送金が完了します。

一方、ビットコインアドレスが3から始まる場合、複数の秘密鍵を署名しないと送金が完了しません。仮に秘密鍵のひとつが流出したとしても勝手に送金することはできないため、安全性はより高くなります。

暗号通貨取引所では、3から始めるビットコインアドレスを無料で提供していることもあります。

アドレスの作り方

ここからは、アドレスの作り方を紹介します。

暗号通貨取引所

多くの場合、暗号通貨を入手する場合は暗号通貨取引所に口座を開設し、そこに銀行口座などから送金して暗号通貨を購入するという流れになります。

アドレスを一から作るとなると、秘密鍵や公開鍵を自分で用意する必要がありますが、暗号通貨取引所であればその作業は必要ありません。セキュリティを高めるため、アドレスを固定にするのではなく取引のたびに変える場合もあります。

ウォレットサービス

暗号通貨を入れておく財布に相当する「ウォレット」のサービスがブラウザ上やスマホアプリなどで提供されており、利用の際にアドレスが生成されます。

暗号通貨の種類ごとに使えるサービスは異なりますので、自分が所有している暗号通貨に合わせたウォレットサービスを選びましょう。こちらも、固定アドレスではなく変動アドレスに対応したタイプもあります。

自分で作る

初心者にはかなりハードルが高いのですが、アドレスは自分で作ることもできます。秘密鍵から公開鍵、公開鍵からアドレスの順に生成します。

インターネットサービスのパスワードとは異なり、秘密鍵の英数字を自分で設定することはできません。一定の条件のもとでランダムに生成することで、復元が困難な仕組みにしています。

多くの暗号通貨取引所は十分なセキュリティが保たれており、補償もしっかりしていると考えられます。それでも信用できないという場合は自分で作ることに挑戦してもよいでしょう。一般的に、個人のウォレットは取引所に比べて保有額が少なく、攻撃のターゲットになりづらいからです。

もっとも、個人であっても秘密鍵が流出してしまえば攻撃のリスクは高まります。秘密鍵を安易にアクセス可能な場所に保管するのはやめましょう。

終わりに

アドレスは暗号通貨にとってなくてはならない存在です。暗号通貨をより便利に活用するため、そして自分の暗号通貨を守るため、アドレスに関する正しい知識を身につけましょう。