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暗号通貨の承認システム「プルーフ・オブ・ワーク」と「プルーフ・オブ・ステーク」の違い。報酬を得る方法は?

新しい通貨として注目を集める「暗号通貨」。仮想通貨とも呼ばれ、投資手段やデジタル商品の購入手段などとして活用が進んでいます。

さて、皆さんは暗号通貨の取引がどのようなプロセスで承認されているかご存知でしょうか。本記事では、暗号通貨の承認する2つの仕組み「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」と「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」について解説します。

暗号通貨を管理しているのは誰?

暗号通貨が流通する仕組みについて、既存の通貨と比較して解説します。

流通量を制御できる既存通貨

円やドルなど国や地域が発行する通貨では、中央銀行や国の機関などが通貨の発行量を決め、貨幣の製造を行います。例えば日本であれば、日本銀行が市場に出回るお金の量を決め、国立印刷局が紙幣の印刷を、造幣局が貨幣の鋳造を行います。

日本では2013年より、黒田東彦総裁のもとで大胆な金融緩和が進められてきました。分かりやすく言えば市場に出回るお金を増やす政策で、このように国や地域が発行する通貨は、発行者の思惑によって流通量が制御されます。

みんなで管理する暗号通貨

それに対して暗号通貨は、ビットコインにおける「サトシ・ナカモト」、イーサリアムにおける「ヴィタリック・ブテリン」のように生みの親はいるものの、やがて特定の管理者をもたない「ブロックチェーン」上などで取引が管理されることになります。

ブロックチェーン上で取引を承認する仕組みは大きく2つ。「Proof of Work(プルーフ・オブ・ワーク、PoW)」あるいは「Proof of Stake(プルーフ・オブ・ステーク、PoS)」と呼ばれる方法です。そのプロセスに参加した人には、報酬として暗号通貨が付与することが決まっています。

多くの暗号通貨は発行量の上限が決まっており、報酬として付与される新規発行分もシステムとして決まっていることから、全体の流通量を特定の管理者が制御することはできません。

プルーフ・オブ・ワークとは

まずは、先に登場した承認システムのプルーフ・オブ・ワークについて解説します。

マイニングで報酬を得る

プルーフ・オブ・ワークは、最初に誕生した暗号通貨であるビットコインで採用された仕組みです。イーサリアムなど多くの暗号通貨でも採用されてきました。

プルーフ・オブ・ワークでは、「マイナー」と呼ばれる人が暗号通貨の取引の承認を行い、その報酬として暗号通貨が与えられます。これを「マイニング」と言います。承認とは暗号通貨の取引をブロックチェーンにつなぐための作業で、特定の計算をこなすことで取引が承認されます。

改ざん困難なブロックチェーンの仕組みは、この計算作業に支えられています。改ざんするための計算量は膨大であり、それをするくらいならマイニングに励んだほうが利益が得られる仕組みになっているのです。

プルーフ・オブ・ワークでは、早く計算ができればできるほど報酬が多くなります。それゆえマイナーは、マイニング作業に有利である高性能なGPU(グラフィックス・プロセシング・ユニット)を用意して作業します。

電力消費が批判の的に

高性能なGPUを入れたコンピューターを動かすには、大量の電力が必要です。環境問題や電力不足を理由としてマイニングを制限する国も出てきているほか、大口保有者が手放すことを公言し市場に大きな動揺を与えたこともありました。

暗号通貨の高騰に伴ってマイナーが増加し、多くのGPUがマイニング用に購入される状況が生まれました。GPUはもともと、ゲームや動画編集といった用途に使用されていました。GPUの需要が高まり価格が高騰したことから、多くのユーザーにとって入手困難な状況が生まれました。

プルーフ・オブ・ステークとは

続いて、プルーフ・オブ・ワークの問題点を解決する方法として注目度が高まっているプルーフ・オブ・ステークについて解説します。

所有することで報酬を得る

プルーフ・オブ・ステークでは、暗号通貨の所有量に応じて取引を承認できる確率が高くなり、承認した取引の数に応じて報酬が与えられます。そのため、大量のコンピューターを動かして計算する必要はなく電力コストは大幅に削減されます。

ステーキングに対応した暗号通貨取引所に該当する暗号通貨を保有しておけば、承認プロセスを代行してくれますので、銀行の利息のように持っているだけで暗号通貨が増えます。

51%攻撃のリスクを下げる

「51%攻撃」の可能性も下げます。ブロックチェーンにはその仕組み上、悪意のあるグループが取引の51%を承認できる力を手にしたときに取引を改ざんできる弱点があります。ビットコインのように取引量が多い暗号通貨ではまず起こらないのですが、小規模な暗号通貨ではそれが現実的な脅威となります。

計算能力を上げることで承認割合を上げられるプルーフ・オブ・ワークに対し、プルーフ・オブ・ステークで攻撃を仕掛けるためには、多くのコインを購入する必要があります。膨大なコストがかかる上、自らにも大きなダメージがあるため攻撃を仕掛ける動機は薄くなります。

流動性不足への対処が課題

プルーフ・オブ・ステークでは、所有量によって承認確率が変動しますので、大口所有者に有利な仕組みだと言われることがあります。長期保有になりやすいため流動性が低くなり、市場に出回りにくく通貨としての利用が進まないのも問題とされます。

そうした問題に対処するため、所有量だけではなく所有期間が考慮されるようにしたり、一度承認された所有者が再度承認される確率を減らしたりする仕組みも考案されています。

終わりに

ビットコインのマイニングは、人々が暗号通貨に興味をもつ1つのきっかけとなりました。

しかし、環境意識の高まりとともに電力を大量に使用するビットコインのマイニングへの視線は厳しくなっており、今後は大口投資家の参入を妨げる要因になるかもしれません。

時価総額第2位の暗号通貨イーサリアムは、2022年内のプルーフ・オブ・ステーク移行を目指しており、市場にどのような影響を与えるのか注目されます。

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