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UNUS SED LEOとは。価格が落ちづらい暗号通貨の特徴や発行の経緯、価格推移を解説

暗号通貨(仮想通貨、暗号資産)は主に資金調達目的で発行されます。新規のプロジェクトを立ち上げる際の資金調達である場合もあれば、既存事業の資金不足を補う手段に利用される場合もあります。

今回紹介するUNUS SED LEO(LEO)は後者のケースであり、有力なステーブルコイン「テザー」の発行元によって発行された暗号通貨です。UNUS SED LEO発行の経緯や特徴、直近の価格推移を解説します。

UNUS SED LEOが発行された理由

まずは、UNUS SED LEOが発行されるに至った経緯を解説します。

テザーの時価総額は上位

テザーは2022年8月の執筆時点で3位の時価総額を誇る、市場で最も支持されているステーブルコインのひとつです。絶対王者のビットコイン、スマートコントラクトを武器にビットコインを追いかけるイーサリアムに次ぐ順位と言えば、そのすごさがいくらか理解できるのではないでしょうか。

ステーブルコインとは、他のなにかと同一の価値をもつよう設計された暗号通貨を指します。テザーやUSDコインのようにアメリカ・ドルとペッグ(連動)されるものもあれば、ビットコインと連動するラップドビットコイン、金と連動するジパングコインのような暗号通貨もあります。

ステーブルコインが価値を保つための設計はそれぞれに異なりますが、一般にはペッグする対象と同等の裏付け資産をもっていることが必要とされます。これは、仮にすべてのステーブルコインがすべて換金されたとしても耐えられるだけの資産が必要だという考え方に基づくものです。

損失の穴埋めに発行?

UNUS SED LEOは2019年5月、テザー社の親会社にあたるiFinex社から発行されました。当時iFinex社は、運営する暗号通貨取引所Bitfinexの損失を隠すため、顧客からの預り金と企業の資産を混ぜて管理しているのではないかとの疑惑をかけられていました。

そのため、UNUS SED LEOは損失の穴埋めのために発行されたのではないかと言われました。ネガティブな背景がありつつも売出しは成功を収め、Bitfinex以外の取引所にも上場を果たすなどして評価を高めました。

それ以降も高い人気を誇るテザーですが、裏付け資産が十分でないとの指摘はたびたびなされてきました。この件でアメリカ商品先物取引委員会(CFTC)から告発を受け、制裁金を支払うことで和解しています。

テザー側はその疑惑を否定してきましたが、現在は定期的に資産状況を公開し懸念の払拭に努めています。ただしそれに対しても、コマーシャルペーパー(短期の無担保約束手形)の割合が多く十分な裏付けがあるとは言えないとの批判があり、テザー側は将来的にコマーシャルペーパーをなくすと約束しています。

UNUS SED LEOの特徴

ここからは、UNUS SED LEOの特徴を解説します。

Bitfinexの割引などの特典

UNUS SED LEOは、暗号通貨取引所Bitfinexに力を与える暗号通貨としてデザインされたとしています。具体的には、UNUS SED LEOを保有するユーザーに対して保有量に応じた手数料の割引を提供しています。

そのほか、将来のプロジェクト、製品、およびサービスから利益を得られる可能性があるとしています。なお、発行時点で全量が出回っており、新規に発行される予定はありません。

バーンで価値を高める

iFinexおよびその関連会社は毎月、前年のiFinexの連結総収入の27%以上に相当する量のUNUS SED LEOを市場から買い戻します。買い戻した分はバーン(焼却)され、市場に出回ることはありません。

バーンにより流通量が減少しますので、UNUS SED LEOの価格はより下がりにくくなります。バーンは価格を安定させるための一般的な仕組みであり、イーサリアムなどの暗号通貨でも実施されています。所有者の暗号通貨が消えるわけではありませんので安心してください。

UNUS SED LEOの総供給量やバーンの状況は、公式サイトで公開されています。バーンは時刻や取引アドレス、取引量も含めて公開されていますので、かなり透明性が高い仕組みを構築していると言えるでしょう。

UNUS SED LEOの価格推移

UNUS SED LEOは発行当初を除き、おおむね100円から150円の間で推移してきました。2021年始めより暗号通貨市場全体が強気相場入りしたのにあわせる形で上昇を始め、5月には約410円の高値をつけました。

その後は波がありつつも上昇基調を保ち、2022年2月には約860円の最高値をつけました。市場全体では価格を落とす暗号通貨が多い中で強い動きを見せており、2022年8月の執筆時点では約690円で推移します。

終わりに

UNUS SED LEOはステーブルコインのテザーと関係が深い暗号通貨です。新規発行はなく定期的にバーンされることから、今後も安定した値動きが期待されます。

2022年8月の執筆時点で日本の暗号通貨取引所での売買には対応していませんが、UNUS SED LEOの仕組みや値動きを理解しておけば、同種の暗号通貨が登場したときに大きな利益を得るチャンスが訪れるかもしれません。

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