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The graphとは。ブロックチェーンのGoogleを目指すプロジェクトの特徴や暗号通貨の価格推移を解説

近年はSNS経由で情報を得る人も増えていますが、インターネットでさまざまな情報を得るときに多くの人がまず利用するのは検索サイトでしょう。

検索サイトの中でもGoogleは特に強い影響力をもった存在であり、彼らが構築するシステムは私たちに有益な情報を届けてくれる一方、方針の変更により収益が大きく左右される人も少なくはありません。

今回紹介するThe Graph(GRP)は、ブロックチェーン内で検索システムを提供する、「ブロックチェーンのGoogle」とも称されるプロジェクトです。The Graphの特徴や価格推移を解説します。

The Graphとは

まずは、The Graphの特徴を解説します。

Googleのような検索システムを目指して

The Graphは、2018年にスタートしたプロジェクトです。当時のブロックチェーンではすでに、イーサリアムなどでさまざまな分散型アプリケーションが展開されていました。しかし、情報を手軽に引き出すための仕組みが不足していると考え、このプロジェクトをスタートさせました。メインネットは2020年12月に稼働しました。

ブロックチェーンが抱える困難さの具体例として、彼らは「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」という類人猿の人気NFTを挙げています。BAYCのNFTを保有している人や供給量の情報を取得することは容易であるものの、もう少し複雑な検索を行おうとした場合、結果が出るのに数時間から数日かかる場合もあると言います。

Googleなどの検索サービスでは、データベースにサイトを登録するインデックスという作業により、情報がスムーズに取り出せるようにしています。ブロックチェーンはさまざまな理由によりインデックスは困難とされてきましたが、The Graphはそれに成功しました。

サブグラフでデータをインデックス化

The Graphでは、サブグラフという仕組みに基づいてイーサリアムなどで公開されているデータをインデックス化します。この作業により、Google検索のようにデータをスムーズに取り出すことが可能になります。

GraphQLという、データのやり取りを効率良く行うための仕組みを利用しており、アプリケーションの開発者がThe Graphを容易に取り込めるようにしています。The Graphはすでに、DEX(分散型取引所)最大手のUniswapやメタバースのDecentralandといった利用例があり、クエリ(データのやり取り)数は一日に数億件に達します。

The Graphという名前は聞いたことがなくとも、ブロックチェーンのアプリケーションを使ったことがある人であれば、知らず知らずのうちにThe Graphのシステムを利用しているかもしれません。まさに、ブロックチェーンにおける縁の下の力持ちと言えるでしょう。

貢献者に報酬を提供

The Graphのネイティブトークン(ネットワーク内で使用される暗号通貨)のGRTは、イーサリアム上で新しい暗号通貨を発行するための規格である「ERC-20」に基づいて発行されています。

GRTをネットワークにステークする(預け入れる)と、インデクサー、キュレーター、デリゲーターといったネットワークの充実に貢献する人たちは、作業量とステーク量に応じてネットワークから収入を得ることができます。

インデクサーは、インデックスの作成を行ったりクエリ処理サービスを提供したりする人です。作業にあたっては一定量のステークを義務付け、仮に不正が行われた場合にはそれらを没収する仕組みを用い、不正が起こりづらくしています。

The Graphの価格推移

2020年12月にメインネットが稼働し取引がスタートしたThe Graphは、スタート直後から勢いよく上昇し2021年2月に約250円の最高値をつけました。その後しばらくは高値圏で推移するものの、4月半ば頃から下落します。

7月頃に一旦底を打ち秋にかけて上昇を見せますが、100円前後までの上昇にとどまりました。その後は暗号通貨市場の停滞に伴い価格を落とし、2022年9月の執筆時点では約15円で推移します。

終わりに

ブロックチェーンのGoogleとも称されるThe Graphは、ブロックチェーン上で展開されるアプリケーションの検索環境を充実させ、サービスをより手軽に使えるようにするネットワークです。

2022年9月の執筆時点で日本の暗号通貨取引所での売買は取り扱っていませんが、すでに多数の利用実績があるネットワークだけに、さらなる成長が期待されます。

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